受賞スピーチをするために『天才スピヴェット』天才少年による壮大な家出

出典:Amazon

天才少年の苦悩

ある出来事がきっかけで、気持ちがバラバラになってしまった家族を思いやり、以前はあった家族のあるべき姿を取り戻そうとする、天才少年の苦悩や葛藤、そしてその成長を描いたアドベンチャードラマです。

とてもファンタジックにその光景が描かれていき、最後までなんだかウキウキとした気持ちがつきまとう、素敵で無敵な作品です。

あらすじ

米モンタナに暮らす10歳の少年スピヴェットは、天才的な頭脳の持ち主。しかし、時代遅れなカウボーイの父と昆虫の研究に夢中な母、アイドルになりたい姉という家族に、その才能を理解してもらえない。さらに弟が突然死んでしまったことで、家族は皆、心にぽっかりと穴が開いていた。そんなある日、スミソニアン学術協会から権威ある科学賞がスピヴェットに授与されることになる。家族に内緒で家出をし、数々の困難を乗り越えて授賞式に出席したスピヴェットは、受賞スピーチである重大な真実を明かそうとするが……。引用:映画.com

キャスト・スタッフ紹介

  • 制作国:フランス・カナダ合作
  • 公開年:2013年
  • 上映時間:105分
  • 監督:ジャン=ピエール・ジュネ
  • キャスト:カイル・キャトレット、ヘレナ・ボナム・カーター、ジュディ・デイビス、カラム・キース・レニー、ニーアム・ウィルソン

予告編

天才は苦悩する

天才というのはその頭脳の明晰さから、普通の人が考えないところまで考えが及んだりします。

それは些細な物事を深読みしてしまったり、本筋とあまり関係ない部分を深追いしてしまったりと行った具合です。

それは天才の宿命でもあり、苦悩でもあります。

この映画の主人公の少年スピヴェットもそんな風に苦悩する天才の1人です。

しかも彼の年齢は10歳、その年特有の好奇心と相まって、その思考は家族でも理解しがたい世界に突入しつつあります。

トウモロコシの皮を剥くとき、父親の部屋に入る時、ほんの些細な物事や状況の中においても、その天才的な思考は働きっぱなしです。

天才とは?

まず天才を何かが物凄く出来る人と定義したとします。

そうした場合に天才はどのように生み出されているのかを考えた場合、その出来ることにたくさんの時間を費やして、学習したり訓練した人の事を言うような気がします。

天才という言葉が一人歩きしていて、持って生まれた天性の才能の持ち主と思われがちですが、そういったことはあまりないような気がします。

当たり前ですが生まれた時から字が読めたり、計算ができる人なんているはずがありません。

勉強でもスポーツでも得意だと思ったことはどんどんやるし、逆に苦手だと思ったことはやらなくなってしまう場合が多いです。何かをやり続ければおのずと上手になりますが、やらなければ下手なままです。

もちろん環境での差はあるかもしれませんが、それは良ければラッキーぐらいの話です。環境のせいにせず取り組んでいれば、その差なんてすぐに詰まります。

つまり天才と呼ばれる人たちは自分の好きなことを見つけて、たくさんの努力と学習をして打ち込んできたからこその成果なのだと思います。

それは小さな成功体験の積み重ねとも言えるかもしれません。

スピヴェットの学びに対する探究心や垣間見れる根気強さからは、そんな風な事を思い起こさせます。

摩訶不思議な世界観

ファンタジック映画の最高峰『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネが描く、その摩訶不思議な世界観には脱帽です。

しかし、しっかりとヒューマンドラマ的な側面も崩さず、その独特の風景を描いていきます。

スピヴェットを理解しない大人達への仕返しのように、少しシニカルで夢見心地な風景を提示してきます。

そして、なんとも複雑というかとっつきにくい家族とともに、スピヴェットは暮らしています。

父のテカムセ

その考え方も格好も100年遅れて生まれてきた、時代遅れのカウボーイです。牧場を運営しています。

母のクレア

昆虫の専門家で顕微鏡で小さな生物を観察し、それを”種”と”亜種”に分類することに人生の大半を費やしています。

姉のグレーシー

学校の出し物で舞台に立ってから、演じることや注目される事にはまり、ハリウッドで活躍する女優を夢見ています。

家出という名の冒険

そんなある日、1本の電話が入ります。

それはスピヴェットが以前学会に送った永久運動の研究の論文が認められ、スミソニアン学術協会から権威ある科学賞がスピヴェットに授与されることになったとの連絡です。

しかし、スミソニアン学術協会はその相手がまさか10歳の少年だとは思っていません。

そんな事情を察したスピヴェットは一旦は賞の受賞を断るのですが、家族と上手くいっていないことなども重なり、頭を悩ませた挙句、賞をもらいに遥か遠くのワシントンの街を目指す旅に出ることにします。

そして、とてつもない珍道中が始まります。

不思議な登場人物が多数登場するこの旅路は実に楽しいです。

そして授賞式、そこでスピヴェットが語ることとは…

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本ページの情報は2017年11月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。

ファンタジックな原作小説

原作はラルフ・ラーセンの冒険小説「T・S・スピヴェット君 傑作集」です。

その摩訶不思議な世界観と、人間味あふれるドラマが同居した世界観は、冒険心をくすぐります。

許容する暖かさ

Photo by:IMDn

普段の生活の中ではやさしさや思いやりは、当たり前すぎて気づかないことも多いです。

スピヴェットも母の愛や父の想いをきちんと感じ取ることができていません。

しかし一度孤独という名の冒険に向き合うことにより、その家族のぬくもりを実感するという感情を得ることができるのです。

それは家出というものが織りなすハートフルでドラマチックな出来事です。