聖地巡礼が教えてくれること『星の旅人たち』かけがえのない人生の旅

出典:Amazon

かけがえのない聖地巡礼

息子を亡くした男性が息子の意思を受け継ぐように、全長約800kmを歩くサンティアゴ巡礼の旅に出るという物語です。

息子の成し得なかった旅路を初老の男性が、父として男として歩き続けるその姿に感動です。

あらすじ

アメリカ人の眼科医トムは、ひとり息子のダニエルが、スペイン北部ガリシア地方の聖地「サンディアゴ・デ・コンポーラ」を巡る旅の途上で不慮の死を遂げたとの報せを受ける。妻の死後、疎遠になっていた息子が何を思って聖地巡礼の旅に出たのかを知るため、トムは亡き息子の足跡をたどる。
引用:映画.com

キャスト・スタッフ紹介

  • 制作国:アメリカ・スペイン合作
  • 公開年:2010年
  • 上映時間:128分
  • 監督:エミリオ・エステベス
  • キャスト:マーティン・シーン、エミリオ・エステベス、デボラ・カーラ・アンガー、ヨリック・バン・バーヘニンゲン、ジェームズ・ネスビット

息子の意思を継いで

アメリカ人のトムは60歳を超えた初老の眼科医です。開業医として現役バリバリで毎日朝から晩まで診察に勤しみ、休日は仲間達とゴルフを楽しみ、まさに人生を謳歌しています。

ダニエルというひとり息子がいるのですが、妻の死後はダニエルと疎遠になっています。

ダニエルは父と同じエリート街道を歩んでいたのですが、ダニエルはその歩みに疑問を抱き、大学の博士課程を辞めてしまいます。世界が見たいの言葉を残し、その後は世界中を旅をしていました。

息子は携帯も持っておらずたまに連絡が来るものの、今世界のどこにいるかもわからない状態が続くことも珍しくありません。

突然の訃報

そんなある日、いつものように仲間とゴルフを楽しんでいると、1本の電話がトムに入ります。それは息子ダニエルが、旅の途中で不慮の死を遂げたとの報せでした。

愕然とするトムは急いで、連絡のあったフランスの町サン=ジャンへと駆けつけます。

現地で遺体を確認し現地の警察に事情を聞くと、ダニエルはスペイン北部の「サンディアゴ・デ・コンポーラ」を巡る巡礼の旅の序盤で、嵐に巻き込まれ帰らぬ人となったとのことでした。

巡礼の旅のスタート地点でサン=ジャンで、トムは失意の中で息子ダニエルの想いを受け止めようとします。遺留品のバックパックを眺め、ダニエルとの過去を思い出すと、思わず涙が込み上げてきます。

息子の想いを胸に

そして、トムは一つの決心をします。それは息子ダニエルが成し遂げられなかった、サンディアゴ・デ・コンポーラへの巡礼の旅を、トムが自ら成し遂げるというものです。

ダニエルのマウンテンパーカーやトレッキングブーツを身につけ、大きなパックパックを背負い、そして火葬をして灰になったダニエルの亡骸を持ち、その一歩を踏み出します。

序盤のダニエルとの回想シーンや、ダニエルへのトムの想いの描写は、涙なしでは観れません。

主演のマーティン・シーンがはまり役ともいうべき演技をみせてくれます。

旅に賭ける思い

トムは孤独に旅を続けるつもりでしたが、大勢の巡礼者が行き交うその旅路では、そういうわけにもいきません。

序盤こそはトムは1人で黙々と歩き続けるのですが、道中口を交わしたりする人や、何度かの偶然の出会いから打ち解ける人物などが徐々に現れ出し、いつしか一緒にゴールを目指す仲間が出来ていきます。

それはダイエット目的で旅にやってきた、オランダ人のヨストとの出会いからはじまり、カナダ人の禁煙を目標とするサラや、アイルランド人のスランプからの脱出を図る作家ジャックなど、個性的な面子が続々と集まってきます。

RPGさながらの仲間たち

それはロールプレイングゲームで言うところの、勇者が戦士や魔法使いや賢者と出会い、仲間になっていく様子と重なるところがあります。

トムという勇者は、ちょっと太った戦士のヨストや、タバコが好きな魔法使いのサラ、スランプ中の賢者のジャックなどを仲間にして、ラスボスの待つサンディアゴ・デ・コンポーラを目指すと言ったところでしょうか。

このそれぞれのキャラクターが本当に素敵です。

最初はそれぞれ警戒心もあり、なかなか打ち解けない時間が長いのですが、次第に心許して信頼しあっていく様子が、スペイン北部の風景や町並みを背景に、とても微笑ましく描かれていきます。

アウトドアファッションが素敵

背負っているバックパックや、マウンテンジャケットなどの衣装も、それぞれのキャラクターにはまっていて素敵でした

登山やトレキングが趣味の方や、アウトドアファッションが好きだったりする方は、彼らのスタイリングにもぜひ注目してみてください。

個人的にはトムが着ていたTHE NORTH FACE(ザノースフェイス)のブルーのマウンテンジャケットかっこいいなと思いました。ノースフェイスはどんな年代の人が来てもかっこいいブランドですね。

トムのキャラクターにもすごくマッチしていました。

美しき巡礼の風景

そして、なんと言っても巡礼の旅で訪れる各地の風景の美しさは、素晴らしいものがあります。

山岳地帯やどこまでも続く田畑、そして古き良き味わいが残る家々や建物など、スペイン北部のバスク地方の風景が、どこまでも美しく描かれていきます。

音楽のチョイスも素晴らしく、場面にマッチした曲が随所に流れ、それが旅の風景にリアルな情緒をもたらし、滲み出す情景をどこまでも映していきます。

映画が映し出す風景は時に、現実の感情に何らかの影響を与え、その感情が映画の中の風景をより一層リアルに映しだす、そのような相互的な高まり合いを感じさせることがあります。

このフランス南部から、サンディアゴ・デ・コンポーラへの旅路の風景も、我々の感情を大いに揺さぶる風景が、そこかしこに現れます。

そして、その風景こそが息子ダニエルが見たかった風景であります。

そのダニエルが見ることが出来なかった風景を、父トムは感情を抑えるようにして淡々と歩いていく、それはまだ見ぬ風景への新しい答え方の1つなのかもしれません。

良い映画に美しき風景あり、といったところでしょうか。

サンティアゴ巡礼とは?

サンティアゴ巡礼とは、キリスト教の聖地とされている、スペインの都市サンティアゴ・デ・コンポステーラを終点とする巡礼のことです。

巡礼路は複数あり、おもにフランス各地からピレネー山脈を経由し、スペイン北部を通る道を指しています。スペイン国内の巡礼道は「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」として世界遺産に登録されています。

イエスの十二使徒の一人である聖ヤコブの墓を、星の光に導かれて司教と信者が813年にサンティアゴ・デ・コンポステーラの地に発見しました。

これを記念して墓の上に大聖堂が建てられたことにより、サンティアゴが聖地とされるようになりました。

感動の旅路の果てに

旅がもたらす効果は絶大なものがあります。

目的地から目的地へ、移動と終着を繰り返すことで、人は新しい何かをみつけていきます。

それは人生の行いと同等と言っても過言ではないほど、巡り合わせや小さな奇跡をはらんだ感動の物語です。

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