どこまでも無邪気で無敵な大人たち『最強のふたり』が最強な理由

アンバランスな2人が織り成す切なさや儚さを振り切った無邪気なストーリー。

それはどこまでも痛快でユーモアや無鉄砲さが持つ底抜けな未来開拓力を提示し、明日の行方を確実に明るくするそんな力を持っている作品です。

あらすじ

パラグライダーの事故で首から下が麻痺してしまった富豪の男と、介護役として男に雇われた刑務所を出たばかりの黒人青年の交流を、笑いと涙を交えて描く実話がもとのドラマ。まったく共通点のない2人は衝突しあいながらも、やがて互いを受け入れ、友情を育んでいく。
引用:映画.com

キャスト・スタッフ紹介

  • 制作国:フランス
  • 公開年:2011年
  • 上映時間:113分
  • 監督:エリック・トレダノ、オリビエ・ナカシュ
  • キャスト:フランソワ・クリュゼ、オマール・シー、オドレイ・フルーロ、アンヌ・ル・ニ

共通点がないもの同士

共通点がないと言うことは一見ネガティヴに受け取られがちですが、そこにはあきらかな可能性が鎮座しているように思います。

それぞれ物事の目的地に対する見解も変わってくるし、過程における幾つかのセオリーや行動も違ってきます。ですのでそれらが交わることにより、明らかに今までにない選択肢や出来るべきことが増え、未来の広がりが増すということに繋がるのではないでしょうか。

住む世界の違いで接点を初めから断ち切ってしまうことは、これらの可能性を喪失させることに他ならないのです。

傲慢さの先にあるもの

黒人青年のドリスは刑期を終えて刑務所から出てきたばかり、手っ取り早く失業手当をもらうという目先の目標に必死です。

そんな時事故で首から下が麻痺してしまった富豪の男フィリップの介護の仕事の面接に行きます。必要書類にサインをせがみさっさとその場を後にしようとしますが、すぐにサインは貰えない。フィリップは強引なその行動に驚きながらも数日後にまた訪れるようにドリスを諭します。

その後ドリスは一旦は実家に戻るが自分を明らかに歓迎していない家族を目の当たりにし居場所を失ってしまいます。

水と油が交わる時

数日後に書類をもらいに再びフィリップの元を訪ねるのですが、ドリスの身勝手な行動や強引さに今までの介護役の人々にはなかった魅力を感じ、自分の介護役に抜擢することにします。

ドリスも住み込みの部屋の豪華さやその待遇に惹かれ介護役の仕事を引き受けることになります。最初は周りはすぐ辞めるだろうと思っているのですが、ドリスのユーモア溢れる行動や考えはフィリップはもちろんのこと周りを巻き込み愉快な風景を描き出します。

その大胆不敵な行動やフィリップに対する接し方や思いは素晴らしく、分け隔てないそのドリスの魅力がなくてはならないものになっていきます。

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痛快でハートフル

痛快で切なくなんだかハートフル。

ドリスのその行動は日々の悩みを忘れさせてくれるほど痛快で無邪気、いつしか観てる側も明日への活力が湧いてくるそんな映画です。