無人のドローン戦闘機を使い、戦地に行かずして空爆を行う現代の戦争の実態をあらわにしながら、そのあり方から心に異常をきたしていく、ドローン操縦士のリアルで異常な日常が描かれていきます。
現代の戦争が淡々と描かれていくその様は、まるでゲームのような非現実の出来事のように、現実感のない戦場のを姿を映し出します。
目次
あらすじ
アメリカ空軍のトミー・イーガン少佐の赴任地は、美しい妻とふたりの子どもと暮らす住宅街のマイホームから車を走らせ、歓楽街を抜けた場所にあるラスベガスの基地に設置されたコンテナの中にあった。そこで無人機ドローンを遠隔操作し、1万キロ以上離れた異国をクリック1つで空爆をする。ゲームのような現実感のない戦場と家族の待つ家との往復、それがイーガンの日常であり、異常ともいえる現代の戦争の姿だった。
引用:映画.com
キャスト・スタッフ紹介
- 制作国:アメリカ
- 公開年:2014年
- 上映時間:104分
- 監督:アンドリュー・ニコル
- キャスト:イーサン・ホーク、ブルース・グリーンウッド、ゾーイ・クラビッツ、ジェイク・アベル、ジャニュアリー・ジョーンズ
遠隔操作で行われる戦争
現在、米軍は積極的にドローンを軍事作戦に利用しています。
偵察や監視への利用はもちろん、最近ではミサイルなどの兵器を搭載し、現在は対象への攻撃なども可能になっています。
これまでであれば戦闘機に乗るための、訓練されたパイロットを現地に派遣することが必要でしたが、ドローンを用いた場合には、操縦者は遠く離れたアメリカ本土の基地で、遠隔操作でドローンを操ることが可能です。
操縦者は自宅から基地まで通勤し、遠く離れた戦地のドローンを操作し爆撃を行い、また自宅へと帰っていくのです。
ルーティンワークで参加する戦争
それは会社員が会社に通勤するように、朝食後に車や電車で戦争に向かうという、なんとも言えない風景です。
そして、まるでルート営業のような手順で、戦地をドローンで巡回し、何か問題があれば上司に報告し、上司からの指示で攻撃対象に爆撃します。
ドローンを操る機器の操作手順も厳密に決まっていて、まるでエクセルで書類を作るような手順で、淡々とその爆撃という仕事は遂行されていきます。
任務完了後には報告書を記入し、仲間たちと夜の街へ繰り出し、仕事の愚痴などを語らい、その後帰宅します。
それはもはや兵士や軍人というよりも、サラリーマンの日常ととも見て取れます。
近くて遠い戦争
アメリカ空軍のトミー・イーガン少佐は戦争に参加する兵士です。
しかし、イーガンがその仕事をこなしている場所は、銃声響く戦地ではなく、ラスベガスの基地の中に設置されたコンテナの中です。
その中でたくさんの機器に囲まれ、1万キロ以上離れた異国の地にあるドローンを操作し、クリック1つで空爆をするという任務です。
ゲームのように現実感がない戦場を映し出すモニターをひたすら眺め、必要に応じて爆撃していくという日常です。
イーガンはもともと空軍のパイロットで、戦闘機に乗り実際に空を飛び任務をこなしていましが、ドローンの出番が多くなった現在の戦争を象徴するかのように、戦闘機を降ろされ、ドローンを操る毎日です。
それでもパイロットであるプライドは捨てきれず、事あるごとに上司に戦闘機のパイロットとして戦地に行かせてくれと祈願しています。
その家族の風景
イーガン少佐には、パイロット時代に口説き落とした美しい妻と、かわいいい2人の子どもがいます。
基地から程よく離れた、住宅街のマイホームに暮らしています。そこで家族と仲睦まじく暮らしながら、車で基地まで通勤するという日常を送っています。
軍のルールで、どのような任務を行なっているか、家族や友人に話すことは厳重に禁じているので、妻は夫のイーガンが軍でどのような仕事をしているのかは知りません、
朝、妻にキスをして仕事に出かけ、夜帰宅後には家族で夕食を食べて、休日のは家族や隣近所を交えて、バーベキューをするといった具合です。
そこにあるのは、どこからどう見ても、とても幸せな家族の風景です。
蝕まれていく精神
その幸せな家庭のある生活と、軍においての上層部からの無茶な指示や、エスカレートしていく爆撃の任務というギャップに、イーガンは次第に精神が耐えられなくなっていってしまいます。
そしていつしか、朝起床後に酒を飲み、仕事場に向かうようになります。激しくなっていく被害妄想や、自己嫌悪、自分の気づかないうちに精神はギリギリまで蝕まれていました。
しまいには妻の浮気を疑い、口論や喧嘩が絶えなくなってしまい、幸せだった家庭に少しづつヒビが入っていきます。
それはPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状に他ならないのですが、イーガンは軍人であるプライドからか、自分の精神が弱っているとは思わずに、休息を取ろうとはせずに、その状況を酒でごまかし続けます。
この映画が映し出す現代の戦争の風景は、決して目をそらすことができないものです。
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戦争のリアルな風景
戦争映画は数あれど、これだけ現代の戦争をリアルに映し取った作品はあまりありません。
ごまかすことのできない戦争の実態をあらわにし、どこまでも残酷な現実を我々の目の前に突き詰めます。
娯楽やエンターテーメントとしてではなく、映画が映し出す社会的な側面が垣間見える、まさに考えさせられる作品です。