無秩序と秩序の狭間で『複製された男』の謎を超えた物語

「カオスとは未解読な秩序である」冒頭から意味ありげな言葉が現れこの物語は幕を開ける。

一筋縄ではいかない展開が行く手を阻むかのよう押し寄せ、その映像は摩訶不思議な雰囲気を漂わせながらも、ここではないどこかへと誘うような誘惑に満ちた情景を描き出す。

あらすじ

自分と瓜二つの人物の存在を知ってしまったことから、アイデンティティーが失われていく男の姿を描いたミステリー。大学の歴史講師アダムは、DVDでなにげなく鑑賞した映画の中に自分とそっくりの端役の俳優を発見する。驚いたアダムは、取り憑かれたようにその俳優アンソニーの居場所を突き止め、気づかれないよう監視するが、その後2人は対面し、顔、声、体格に加え生年月日も同じ、更には後天的にできた傷までもが同じ位置にあることを知る。やがて2人はそれぞれの恋人と妻を巻き込み、想像を絶する運命をたどる。
引用:映画.com

キャスト・スタッフ紹介

  • 制作国:ドイツ
  • 公開年:2012年
  • 上映時間:105分
  • 監督:クリスティアン・ペッツォルト
  • キャスト:ニーナ・ホス、ロナルト・ツェアフェルト、ヤスナ・フリッツィー・バウアー、マルク・バシュケ、ライナー・ボック

サツバツとした世界

全体的に薄暗く黄色味がかった画面の中、不自然なほどに無機質な都市を舞台に、読み解くことを必然としたような話が展開されていく。

それはまるで我々を見透かしそして試すかのごとく、今までにはないほどの強烈なミステリーが凝縮されていて、我々がここにいる理由というべき愛さえもこの映画の中では無意味だ。

それはループするダンスミュージックのように無機質だが、不確かでありながらも確実な手触りをそこに残している。

有機物のない生活

無機質が剥き出しになった暮らしとは想像しがたいが、そんなものが存在するのならそれはきっと快適か快適じゃないかといったことで、測ることさえできない無味無臭な有様だろう。

人はいつの間にか言葉を覚え、いつの間にか何かを学び、いつの間のか愛を知り、いつの間にか年老いてこの世を去る。

もちろんそんな風には思いたくないが、意識していないところでかなりの物事が動いていることは確かだろう。

そして皮肉なことにそちら側に真実があったりする場合もある。

お前はだれだ?そして俺は誰なんだ?

主人公の大学の歴史講師アダムは、同僚に教えてもらった映画のDVDをなにげなく鑑賞した際に、自分とそっくりの端役の俳優を発見する。

アダムは驚き、その俳優アンソニーの居場所を突き止めるのだが、アダムはとても積極的とは言い難い性格だ、しかしあまりにも摩訶不思議な出来事に歯止めは効かない。

そして2人で会うことになるのだが、姿や声はもちろん生年月日や腹部にある傷まで一緒である。

これは一体どういうことなのだろうか?

そしてカオスは最高潮に

巻き込んでいるのか巻き込まれているのかも分からないくらい、我を失った2人はお互いの奥さんと恋人まで巻き込み、さらに深みにはまっていく、そしてそれさえも現実であるのか分からない。

これぞカオスでありそこに秩序は存在しないかのように思われる。

そして我々は無秩序の中にある秩序を探さらざる負えなくなるのである。

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謎解きは永遠につづく

まさにお見事というべき謎解きストーリーが展開される。

一見謎解きを観客にさせることを狙った映画に見えるが、これは謎が何かを読み解く映画ではなく、様々な解釈や憶測が飛び交い一体真実はなんなのか、観客同士に討論させることを目的とした映画のようにも思える。

そして、それこそがまさに混沌の中に秩序を見出す作業なのではないだろうか?