捨てられた後の地球で『アフター・アース』そこにある親子の絆

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人類が地球に住むことができなくなり、別の惑星に移住して長い時間が経っていた西暦3072年を舞台に繰り広げられる、親子の絆が織りなすSFサバイバルサスペンスです。

宇宙遠征の際に見知らぬ惑星に不時着し、一命をとりとめた親子ですが、しかしその惑星は遥か昔に人類が捨てた地球でした。

あらすじ

人類が地球から別の惑星に移住した西暦3072年、伝説の兵士サイファとその息子キタイは、宇宙遠征の途中で見知らぬ惑星に不時着する。負傷した父に代わり、キタイは緊急信号を発信させるビーコンを探しに出るが、その惑星こそがかつて人類が捨てた地球だということが発覚。未知の惑星と化した地球を単身進むキタイはさまざまな危険にさらされ、やがてさらなる恐怖を呼び起こしてしまう。
引用:Netflix

キャスト・スタッフ紹介

  • 制作国:アメリカ
  • 公開年:2013年
  • 上映時間:100分
  • 監督:M・ナイト・シャマラン
  • キャスト:ウィル・スミス、ジェイデン・スミス、ソフィー・オコネドー、ゾーイ・イザベラ・クラビッツ、リンカーン・ルイス

親子の絆を描くSF

親と子の絆が広大な宇宙の中で、そして捨てられた惑星である地球を舞台に、西暦3072年という遥か先の未来が壮大に描かれていきます。

実の親子である、ウィル・スミスとジェイデン・スミスの熱演が光ります。

そのやりとりは演技とは思えないほどリアルで、本当の親子であるから成り立つとも言える、感動のストーリーが展開されていきます。

サバイバルテイストに満ちていながら、作り込まれた宇宙船内や機器や、通信に使われるモニター画面の未来的なデザインなど、SF感も随所に渡って抜群に出ています。

西暦3072年という途方もない、遥か先の未来への憧れが湧いてきます。

レンジャーに憧れて

レンジャー部隊の候補生である13歳のキタイ・レイジは、憧れのレンジャーになるべく、厳しい訓練に励んでいます。

運動神経は抜群で成績は良いものの、精神的未熟さからレンジャー試験を不合格とされてしまいます。

レンジャーにとっていちばんの敵は恐怖心とされているのですが、キタイはどうしても恐怖心を拭い去ることができないでいました。

その日は伝説の兵士である父サイファが、宇宙遠征から帰ってくる日でもあり、どうしても父に良い報告がしたかったキタイは、試験官に楯突くのですが、合否が覆ることはありません。

その夜の夕食の際に、良い報告ができなかったことを悔やんでいるキタイは、久しぶり再会した父に対して、ぶっきらぼうな態度を取り、これが父の逆鱗に触れてしまいます。母であるファイアは、サイファをなだめつつ、キタイをかばいます。

宇宙船に乗って

そんな中、サイファに1つの考えが浮かびます。それは次の宇宙遠征にキタイを連れて行き、キタイが一人前のレンジャーになれるように、鍛えようという考えです。

そして親子で宇宙船に乗り込み、有能な部下たちも引き連れて、宇宙遠征に旅立ちます。

宇宙船にはトレーニングに使用するという名目で、アーサという凶暴な生物が檻に入れられ乗せられていました。

アーサは人類が現在住む惑星ノヴァ・プライムに移住した際に、敵対する先住民が、人類を抹殺するため作り出した猛獣です。目も見えず音も聞こえない生物なのですが、人間の恐怖心を察知し、襲いかかってきます。

キタイがまだ幼かった頃、姉のセンシがこのアーサに殺害されるのを、なすすべもなく見ていたという過去がありました。その過去を引きずっていたことからキタイは恐怖心を捨て去ることができなかったのです。

父のサイファが伝説の兵士と生きながらに言われるのも、以前このアーサーとの死闘の際に、恐怖心を完全に打ち消すことに到達した強者であるからです。

嵐に巻き込まれる

宇宙船で目的地に向かい飛行していると、突如嵐のようなものに巻き込まれて、宇宙船の操縦が効かなくなってしまいます。

なんとか、体勢を立て直しつつも、機体の損傷や燃料の問題から、近くの惑星への不時着を余儀なくされます。

ほぼ墜落に近い形で、行き着いたその惑星は1000年前に人類が捨てた、第一級隔離惑星の地球でした。

サイファとキタイの親子はなんとか一命を取り留めたのですが、通信手段のある宇宙船後方部が自分たちの場所から、100km離れた場所に墜落したことがわかります。

おまけに父であるサイファは、不時着の際に足に大きな怪我を負っていました。頼れるのはキタイのみ、父はこの船内からキタイに指示を出し、キタイを100km先の宇宙船後方部の墜落地点へ向かわせることにします。

すべての運命を息子のキタイは背負い、未知の惑星での100km先のへのサバイバルが始まります。

いつでもそこにある愛と絆

親と子の絆は未来永劫変わることなく永遠だということを教えてくれる作品です。

SFでありながらその人間の持つ根源的なつながりは、確かな温もりを私たちの前に提示します。