恋をする事とは何か?『her 世界でひとつの彼女』が描く未来予想図

人を好きになることそれが恋、だがしかし人工知能を好きになってしまったら…果たしてそれは恋と言えるだろうか?

そんな疑問に答えるべく、近い将来現実になるかもしれないSF的恋愛を、奇才スパイク・ジョーンズが多彩な色彩感でオシャレにポップに描いた話題作です。

あらすじ

「マルコヴィッチの穴」「アダプテーション」の奇才スパイク・ジョーンズ監督が、「かいじゅうたちのいるところ」以来4年ぶりに手がけた長編作品。近未来のロサンゼルスを舞台に、携帯電話の音声アシスタントに恋心を抱いた男を描いたラブストーリー。他人の代わりに思いを伝える手紙を書く代筆ライターのセオドアは、長年連れ添った妻と別れ、傷心の日々を送っていた。そんな時、コンピューターや携帯電話から発せられる人工知能OS「サマンサ」の個性的で魅力的な声にひかれ、次第に“彼女”と過ごす時間に幸せを感じるようになる。
引用:映画.com

キャスト・スタッフ紹介

  • 制作国:アメリカ
  • 公開年:2013年
  • 上映時間:126分
  • 監督:スパイク・ジョーンズ
  • キャスト:ホアキン・フェニックス、エイミー・アダムス、スカーレット・ヨハンソン、ルーニー・マーラ、オリビア・ワイルド

主人公セオドア役は「ザ・マスター」のホアキン・フェニックス。サマンサの声をスカーレット・ヨハンソンが担当している。スパイク・ジョーンズ監督が長編では初めて単独で脚本も手がけ、この作品で第86回アカデミー賞で脚本賞を受賞した。

人工知能はロボットではない

人工知能と聞くと、いわゆるロボットとを混同してしまいがちだが、決して人工知能はロボットではない、ロボットは決められた動きを決められたように遂行する機械である、人間がプログラムした動きを忠実に再現し仕事を果たす、それがロボットである。

一方、人工知能は人間と同じ知能を持つ何かと言うことになる、物事を忠実に再現するだけでは知能とは言えない、瞬間瞬間の状況を把握し対応し、常に学習し進化していく、それこそが我々が持つ知能であり、人工知能も知能と名乗るからにはそうでなければならない。

自らが考え判断するという事

昨今実用化されているの人工知能の重要な機能の一つに、ディープランニングというものがある、すなわち深層学習。つまり機械が勝手に物事を学んで判断していくという事である。

画像を認識して似た画像を集めて、集めた数が多くなるほど、その精度が高まっていったり、買い物の趣向に応じて、おすすめ商品を瞬時に提示してみたり、会話などの音声でのやり取りで要望に答えて、会話量が増えるほど、こちら側の要望を理解するようになる、と言った具合にだ。

そしてその精度が高まれば高まるほど、人と区別がつかなくなるということになる。

人間と区別がつかないからこそ

チューリングテストというものがある、これはアラン・チューリングという数学者が編み出し、ある機械が人工知能でであるかを判別するためのテストだ。

人間の判定者が、1人の人間と1機の機械に対して、それぞれ隔離された状態でキーボードとディスプレイ等で、通常の言語での会話を行い、機械と人間との区別が確実にできなかった場合、この機械は人工知能として成功していると判断できるというものである。

ここからもわかるように人工知能は人間と区別がつかないからこそ、人工知能と言えるのである。

恋をすることは十分可能なのではないか

人と機械の見分けがつかないのであれば、それに恋をすることなどたやすいことである。さらにそれが人間の脳より遥かに精度の高い、コンピュータというプラットフォームをベースにしているのであれば、我々がそれに惹かれ、想いを寄せることなどありえない話ではないのではないだろうか。

この映画の主人公も最初は興味本位で、人工知能と会話を始めるのだが、そのあまりにも我々と変わらない思考力や言動に心惹かれていくのである。

そしてコンピューター特有の処理速度を兼ね備えた判断の速さや、マルチタスク的な気の利きようを持ち、女性らしい魅力もふんだんに兼ね備えた人工知能サマンサに、主人公セオドアは魅力を感じ次第に虜になっていくのである。

もはやこれはSFと呼べるようなものではなく、昨今現実になりうる物語である。

2人が乗り越えならなければいけないこととは

ここの映画で登場する人工知能サマンサは、音声認識を主とした、人の話し言葉を聞き取って解釈する人工知能である。

現在実用化されているSiriやGoogleNowのような、パーソナルアシスタント機能がさらに進化し、かなり精度の高くなったものを想像してもらえば良いと思う。

会話などのやり取りは人と話しているのと何も変わらない、しかしこの人工知能には言わずもがな姿がない、最初はそんなこと気に求めず、お互いの想いを語り合ったり、色々な場所に入ったりして楽しんでいるのだが、姿や肉体に対する憧れを人工知能サマンサは抱く、そしてある方法で解決しようと試みるのだ。

それ以外にも相手が人工知能ゆえにの問題を超えた、人同士の恋でも良くある悩みなども、主人公セオドアと人工知能サマンサの間には現れる。

果たしてこの恋の行方は…?

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少しだけ未来のラブストーリー

少し先の未来の話として描かれているのだが、そう遠くない将来、人と恋に落ちれるほどの人工知能が現れてもおかしくはない。人工知能の精度が上がれば上がるほど、人と機械の距離は近くなり、それは現実のものとなるだろう。

そしてそんな人と機械の恋愛とは思えないほど、全体的にとても鮮やかな色彩で全編彩られていて、おしゃれな雰囲気が漂っている映画だ。

人工知能に興味がある方や非日常を味わいたい方はもちろんの事、普通のラブストーリーとして十分に楽しむことができるので、恋愛映画好きにもオススメの1作です。