愛と時間と死が奏でる感動の物語『素晴らしきかな、人生』受け入れることの大切さ

出典:Amazon

失意から立ち直るための物語

失意のどん底で喪失感に苛まれ、完全に人生を見失ってしまった広告代理店の代表を務める主人公が、奇妙な3人の人物達との出会いを通して、人との繋がりを取り戻していく物語です。

クリスマス時期のニューヨークを舞台に、ウィルスミスやエドワードノートン、ケイト・ウィンスレットなど豪華キャストで描かれる感動作です。

涙なしでは観ることができない、大切な何かを感じさせてくれる作品です。

あらすじ

ニューヨークの広告代理店で成功を収め、華やかな生活を送っていたハワードだったが、最愛の人を失ったことで大きな喪失感を抱く。完全に人生を見失ってしまったハワードを同僚たちも心配していたが、そんなある時、ハワードの前に年代も性別も異なる3人の奇妙な舞台俳優たちが現れる。彼らとの出会いにより、ハワードの人生に徐々に変化が起こっていく。
引用:映画.com

キャスト・スタッフ紹介

  • 制作国:アメリカ
  • 公開年:2016年
  • 上映時間:94分
  • 監督:デビッド・フランケル
  • キャスト:ウィル・スミス、エドワード・ノートン、ケイト・ウィンスレット、マイケル・ペーニャ、ヘレン・ミレン

予告編

悲しみの中で

深い悲しみや失意というものは、自分自身の頭では乗り越えなくてはいけないと分かっていても、そう簡単に抜けられるものではありません。

その痛みや傷が大きければ大きいほど、そのどん底にいる感覚は強く、自分1人の力だけで抜け出すことは、ほぼ不可能に近い場合さえあります。

冒頭で映し出されるのは、広告代理店の代表で主人公のハワードが、部下や仲間たちに自分が広告にかける思いを語っている姿です。

広告に大事なことは人の繋がりでそれには「愛」と「時間」と「死」が必要不可欠だと、とても説得力のある出で立ちで力強くその思いを述べています。

その姿はまさに仕事ができる男といった感じで、仲間や部下が彼に向ける信頼感のある眼差しからも、ハワードの力と共に会社が大きくなって来たということが想像できます。

しかし、それは過去のこと…

現在は抜け殻のように、会社の隅でドミノを数日かけて並べては倒すを繰り返すような、深い空虚の中にハワードはいます。

そんな中、とある3人の人物との出会いからハワードの人生は少しづつ変化していきます。果たしてこの3人は何者で何をハワードにもたらすのでしょうか?

死が語ること

死という存在からだれもが逃れることができないという事実は、見えそうで見えないエリアに横たわっているような気がします。

それは身体に訴えかけるという点では、暖かいとか寒いとか、眠いとか眠くないなどといった人間の感覚を誘発するような、感覚的作用と似ているような気もしますが、感覚として感じることができないという点では、やはり死は独特の性質を持ったものなのかもしれません。

しかし、それを必ずしも暗闇で暗黒の出来事と受け取る必要もないのではというような気もします。死はもちろん悲しみを伴う出来事で簡単に受け入れることはできません。

だけど映画や物語には終わりがあるように、人生に終わりはつきものです。死を受け入れられないということはエンドロール手前で一時停止ボタンを押しているような感覚と言えるかもしれません。

映画でエンドロールが流れなければ、とても中途半端な感覚を味わうこととなるでしょう。

ということは死というエンドロールをきちんと受け入れて、最後まで見届けることをしてあげなければ、その人の人生は中途半端なままで終わってしまうということになりかねません。

そこには深い悲しみが横たわり、頭では思っていてもなかなかエンドロールへ向かうための再生ボタンを、押すことはできないかもしれません。

それでも向き合うことを拒絶するということは、いわゆる成仏させるということと対局の行いなのかもしれません。

時間が示すこと

時間は不思議なもので、ものすごく長く感じる時もあれば、ものすごく早く感じる時もあります。それは時間というものが、我々の感覚に大きく依存してると考えることができます。

そして大概嫌なことは長く感じて、楽しい時は早く感じることが多いのではないでしょうか。

それは時間の持つ最も酷な作用で、つまり悲しい時間ほど長く感じるということになります。誰もが悲しみなんて早く忘れてしまいたいのに、時間はそれを許してはくれません。

まるでじっくりとこちらの気持ちを痛めつけるように、長く辛い時間を与えていきます。そしてそこには深さという深度も伴わせます。

時間は横方向に流れるという作用の他に、その時の気分や感覚がもたらす縦方向へ動きである深さが伴います。この深さこそが時間の横方向への流れを阻害し、辛く長い時間という弊害をもたらすのではないでしょうか。

楽しい時はこの深さを感じることがなく先へ先へと時間は進みます。そして気がついたら「もうこんな時間?」というように、いつの間にか時間の流れ以上に時計の針のスピードを速めます。

だからこそ深い悲しみが伴う出来事からの脱出は困難を伴い、時に人を空虚の中に迷い込ませてしまうのかもしれません。

愛が伝えること

愛とはなんでしょうか、それは語ることが許されない神秘的な出来事のような気がしますが、気がつけばそこらじゅうに溢れていることのような気がしなくもありません。

なぜなら愛は人が生み出すものであり、人の数だけ存在するからです。そして人の持つぬくもりや繋がりという営みこそが、この愛を作り出しているのではないでしょうか。

それは運命や絶対的なものだけに宿るのではなく、なんとなく愛おしいとか、何気ない優しさといった、些細な人の持つ柔らかな部分が放つ性質が、愛という行いを遂行させているのかも知れないとも思えます。

愛を失ったという実感を簡単に受け入れることは不可能です。しかし、その愛はそんなに難しい作業の果てに生まれたものではなく、誰かが誰かを想う気持ちというとても簡単な作用がもたらしてくれた喜びです。

そんな喜びにいつまでも悲しみで答え続けるというのもなんだかナンセンスな気がします。

伝わるという性質が持つじんわりとした質感、これこそが愛を伝えるために必要なことかも知れません。

つまり無理に言葉で伝えなくても良いし、大げさに態度で示す必要もなく、その時のその場にある空気の中で、自分なりのペースと伝え方で示せば良いのではないでしょうか。

それこそがどんな状況においても愛を伝える常套手段のような気がします。

愛のおまけ

明けない夜がないように、どんな悲しみでもそこから抜け出せないということは絶対にないと思います。

それはなぜかというと、人生には悲しみがつきもののように、同じく喜びもつきものだからです。

生きていれば辛いこともはもちろんあるのですが、嬉しいこと楽しいことも生きているだけでついてくるのです。

それは人生における愛のおまけのようなものかも知れません。

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