それは鮮やかな鼓動の中で『セブン・デイズ・イン・ハバナ』世界でもっとも美しい島での7日間

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キューバの首都ハバナの7日間を7人の個性派監督が綴った7つのエピソードです。

旅行者から現地の人々まで、それぞれの息吹を切り取った物語はとても心地よく、南国の光に満ちた風景の中でその鼓動が鮮やかに描き出されています。

世界で最も美しい島といわれるキューバの街並み、そして音楽やダンスなどの独自の文化をたっぷりと堪能できます。

あらすじ

「世界でもっとも美しい島」とも評されるキューバの首都ハバナの7日間を、本作で監督デビューを果たしたベニチオ・デル・トロをはじめ、「アレックス」「エンター・ザ・ボイルド」のギャスパー・ノエ、「D.I.」のエリア・スレイマンら7人の監督が描いたアンソロジー。旅行や仕事で訪れた外国人や現地で生きる人々など、多種多様な人物の日常の断片を切り取り、ハバナの街の息吹を描き出していく。
引用:映画.com

キャスト・スタッフ紹介

  • 制作国:フランス・スペイン合作
  • 公開年:2012年
  • 上映時間:129分
  • 監督:ベニチオ・デル・トロ、パブロ・トラペロ、フリオ・メデム、エリア・スレイマン、ギャスパー・ノエ、フアン・カルロス・タビオ、ローラン・カンテ
  • キャスト:ダニエル・ブリュール、エミール・クストリッツァ、エリア・スレイマン、ジョシュ・ハッチャーソン、ウラジミール・クルス、ミルタ・イバラ、ホルヘ・ペルゴリア

美しい島の日常の中で

キューバというとても美しい国の首都ハバナでの1週間の出来事が、月曜から日曜までそれぞれ一つの物語としてオムニバス形式で描かれて行きます。

それはただ眺めるだけでも心地よいような南国の風景の中で、それぞれが抱える思いや葛藤などを詰め込んで、どの物語も色彩豊かに描かれます。それは決して短編の寄せ集めではなく、それぞれの個性的な物語が7つで1つになって大きな物語を描いていくようです。

心地よい鼓動を感じさせるとても魅力的で不思議な作品です。

以下の7つのエピソードが展開します。

月曜日『ユマ』
監督:ベニチオ・デル・トロ

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スペイン語が話せないアメリカ人青年がハバナ観光で味わうほろ苦い経験

役者の勉強という名目で映画学校に入学する目的で、キューバにやってきたアメリカ人の青年テディ。

初日から文化の違いを肌に感じて、少し胸をドキドキさせながらもその異文化の中に溶け込もうとして行きます。夜にクラブに行くのですが、酔っ払って羽目を外しても何かが物足りません。しかし女性を口説こうに当然ながら彼はスペイン語が話せません。

必死のコミュニケーションでどうにか朝方近い時間に、女性を自分の泊まっているホテルに誘うことに成功するのですが…

旅の初日のハイテンションさが招く、ほろ苦くでもなんだか憎めないお話です。

火曜日『ジャム・セッション』
監督:パブロ・トラペロ

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呑んだくれ映画監督と現地の運転手との間に芽生えた友情劇

現地での映画祭に招かれてキューバにやってきた、巨匠エミール・クストリッツァ監督。(なんとクストリッツァ監督本人が本人役を演じています!)

しかし、映画祭や人前に出ることを極端に嫌う監督は、ホテルの部屋からバーから至るところでお酒を飲みまくり、常にグダグダの酩酊状態です。寝坊は当たり前で、時には街に紛れ込んで居場所がわからなくなってしまう始末です。

そんな監督に手を焼く現地の運転手。なんとか捕まえ映画祭の会場まで送りスピーチを無事に済まさせますが、夜のパーティーに行きたくないと駄々をこね始め、遂には自分や自分の作品を貶し始めます。

そんな監督を運転手は海辺の自宅でのホームパーティと連れて行きます。そしてそこで始まるジャズ仲間との素晴らしいジャムセッション。

キューバ特有のリズムと甘いメロディーがどこまでも響いて行く演奏シーンは鳥肌ものです。

水曜日『セシリアの誘惑』
監督:フリオ・メデム

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夢と恋人、揺れ動く女性シンガーの選ぶべき愛の行方

夜はバーでその歌声を披露するシンガーのセシリア。

彼女の歌声に聞き惚れて滞在中に毎日彼女の歌うバーへと足繁く通う、スペインからやってきた若きクラブ経営の男性レオナルド。

なんとか彼女をスペインに連れて行き自分のクラブで歌わせて、さらには世界デビューまでさせてあげたいと息巻くレオナルド。セシリアもそんなレオナルドの野心溢れる姿に惹かれあい、心は海の向こうのスペインへ向き始めますが、セシリアには長年連れ添った野球選手の恋人ホセがいます。

レオナルドが帰る前日の夜に明日一緒にスペインに行こうと誘われます。しかしその前には恋人ホセから一緒にアメリカに行こうとの誘いも受けており、双方への想いからセシリアの心は揺れ動きます。

果たして彼女の選択と愛の行方は?

木曜日『初心者の日記』
監督:エリア・スレイマン

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キューバ初心者の記者のオフライン感満載の色あせない放浪

キューバの指導者のインタビューをしに初めてキューバにやってきたキューバ初心者の記者。

インタビューをするまでの時間を持て余しハバナの街を散策して過ごしています。完全に電源を抜かれたオフライン状態の彼は、半ボケ状態でその街並みや文化の中を放浪します。

それはまるで昔ながらのピンホールカメラのようにゆっくりと、ひとつひとつの場所に留まるようにしてその風景を目に焼き付けていきます。

これから歴史的人物であるキューバの指導者に会うという大仕事と、そのキューバ独特の気候や緩さのギャップにやられながらも彼は確かな景色を目にしていきます。

無駄な説明を省いた抽象的な描き方でありながら、どこか共感できるそんな物語です。

金曜日『儀式』
監督:ギャスパー・ノエ

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ふしだらな娘に両親が課した奇妙な儀式の一部始終

好奇心あふれる若者特有の雰囲気に飲まれながらも、思う存分その景色を楽しんでいる一人のキューバが地元の少女。

夜になれば仲間たちと海辺て音楽を大音量で流しながら、いつものようにダンスを楽しんでいます。そんな中一人の美しき少女の誘いで一夜を共にしてしまいます。それが両親位バレてしまったことから、ある儀式を受けその身を清めることを課せられます。

暗闇の中で永遠とその怪しげな儀式は続きます。少女は戸惑いながらもその儀式に身を投じていきます。

土俗信仰や呪術が今もなお残るキューバ特有の世界観を映し撮った、摩訶不思議な映像美です。

土曜日『甘くて苦い』
監督:フアン・カルロス・タビオ

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“夫婦と親子とケーキと酒と”その憎めない不思議な繋がりと愛

長年連れ添ったハバナに住む夫婦と娘、なんやかんやありながらも仲の良い一家。

母親ミルタは精神科医を本職として時にはTV出演するほどに活躍しています。手作りのお菓子を作りそれを売って生活費の足しにしていたりもします。

ある日、地元の呪術師がパーティを開くからと、大量のお菓子とケーキを頼まれるのですが、卵や材料は足りないおまけに調理中に停電に見舞われる始末。隠れてお酒を飲むのがやめられない旦那にも手伝ってもらい材料集めに奮闘しますが、その約束の時間は刻一刻と迫ります。

果たして時間までにケーキは完成するのでしょうか?

そんな中、水曜日『セシリアの誘惑』にも登場した長女セシリアが、何やら深い悩みを持って久々に実家の一家の元に顔を出します。

日曜日『泉』
監督:フアン・カルロス・タビオ

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お告げはつづくよ、ワガママなおばあちゃんのドタバタ奮闘劇

夢の中で聖母様に、家の中に泉を作るように言われたおばあちゃん。

家族全員を集めて突貫リフォーム工事が始まります。ドタバタとわがままなおばあちゃんに振り回される大勢の大人たち。

様々な問題が迫ってきますが、みんなの努力と時には強引なおばあちゃんの立ち振る舞いで、なんとか泉を完成させようと奮闘します。

そして完成後のパーティーのために発注していたお菓子やケーキが届く時間が近づいてきます…

果たしてめでたく泉は完成して、おばあちゃんの夢は現実のものとなるでしょうか?

どのエピソードも素晴らしい

どのエピソードも切なかったり、愛くるしかったり、憎めなかったりといった人間の根源的感情を緩やかに刺激します。我々誰もが持っている感覚でありながら、普段の生活では見過ごしてしまいそうな、柔らかなぬくもりを感じさせてくれます。

微かにつながっている箇所や、複数のエピソードに登場する人物などもいて、人の繋がりはどこまでも途切れることはないというような、縁起の良さを感じさせるメッセージを感じ取ることもできます。

そして7日間のその出来事は時に緩やかに干渉しあいながら、ゆったりとした大きな渦のような流れをそこに生み出していくかのようです。

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旅に出たくなる映画

見終わった後の余韻が心地よく、気持ちの良い風に吹かれたような気分にさせてくれます。

そして間違いなくどこか遠くへ旅に出たくなるそんな映画です。

映画の舞台ハバナとはどんなところ?

ところでハバナはどんなところなんでしょうか?

カリブ海に浮かぶ島国キューバ共和国の首都です。カリブ海の真珠と称されるキューバの首都だけあって、美しい海や建物や独自の文化が根付く都市です。

亜熱帯性海洋気候で年間の平均気温は25~26度程度とまさに常夏の楽園です。また、吹貿易風が年間を通じて吹いており、夏でも比較的過ごしやすいと言われています。

一度で良いから「世界でもっとも美しい島」キューバの首都ハバナに行ってみたいですね。できればその時は月曜から日曜まで7日間を過ごして、まさしく『セブン・デイズ・イン・ハバナ』を堪能してみたいですね。

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