決して素顔を明かさないことで有名な、謎の覆面グラフィティ・アーティスト、バンクシーが監督をした長編ドキュメンタリー作品です。アカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門にもノミネートされ話題になりました。
前半は数々のグラフィティアーティストが登場し、様々なグラフィティアート作品を堪能することができます。そして後半にかけてバンクシー流のアート界を手玉に取った、皮肉たっぷりの展開が炸裂します。
目次
- 1 あらすじ
- 2 キャスト・スタッフ紹介
- 3 Banksy [バンクシー]とは?
- 4 皮肉たっぷりのストーリー
- 5 この映画に登場するグラフィティアーティスト達
- 5.1 Invaders [インベーダー]
- 5.2 Monsieur Andrè [ミスターアンドレ]
- 5.3 ZEVS [ゼウス]
- 5.4 Shepard Fairey [シェパード・フェアリー]
- 5.5 Seizer [シーザー]
- 5.6 Neckface [ネックフェイス]
- 5.7 Sweet Toof & Cyclops [スウィート・トゥーフ & サイクロプス]
- 5.8 Ron English’s [ロン・イングリッシュ]
- 5.9 Dotmasters [ドットマスターズ]
- 5.10 Swoon [スウーン]
- 5.11 Borf [ボーフ]
- 5.12 Buffm Monster [バフモンスター]
- 5.13 Mr.Brainwash [ミスター・ブレインウォッシュ]
- 6 アート業界に対する痛烈な皮肉
- 7 『イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ』観るなら、TSUTAYA DISCASの無料お試し期間を使おう!
- 8 出口の先にある大切な答え
- 9 バンクシーの作品集
あらすじ
ストリート・アートに関するドキュメンタリーを制作していた映像作家のティエリー・グエッタは、幸運にもバンクシーの取材に成功する。しかし、グエッタに映像の才能がないと気づいたバンクシーはカメラを奪い、グエッタを“ミスター・ブレインウォッシュ”というアーティストに仕立てあげ、カメラの前に立たせる。
引用:映画.com
キャスト・スタッフ紹介
- 制作国:アメリカ・イギリス合作
- 公開年:2010年
- 上映時間:90分
- 監督:バンクシー
- キャスト:ティエリー・グエッタ、スペース・インベーダー、シェパード・フェアリー、バンクシー
Banksy [バンクシー]とは?
ステンシル風のタッチに、社会風刺なテーマを落とし込んだ独特のグラフィックが特徴で、社会背景や政治情勢を手玉に取って、痛烈なメッセージを込めた作風で世間を騒がせています。
グラフィティアーティストというグレーな立ち位置のため、出演シーンは全て顔は消され、声も加工されていて、どこの誰か特定ができないようにしているという徹底ぶりです。
皮肉たっぷりのストーリー
ストリート・アートに関するドキュメンタリーを制作していた、元古着屋の経営者で映像作家のティエリー・グエッタは、接触が難しいと言われていた、バンクシーを取材に成功します。
当初はティエリーがグラフィティアートに関する映画を撮るということだったのですが、ティエリーに映像の才能がないと気づいたバンクシーはカメラを奪い、ティエリーを”ミスター・ブレインウォッシュ”というアーティストに仕立てあげます。
これがアートファンやアート業界を大きく巻き込んで、当初は誰も考えもしなかった、予想外の展開になっていきます。
この映画に登場するグラフィティアーティスト達
中盤から後半にかけてのバンクシー流の皮肉たっぷりの展開も素晴らしいのですが、この映画のもう1つの見どころといえば、やはりたくさんのグラフィティアーティストが登場するところではないでしょうか。
有名無名問わず10名以上のグラフィティアーティストの現場の裏側や作品を見ることが出来ます。
以下に登場するグラフィティアーティストとその作品をまとめました。
Invaders [インベーダー]
パリ在住のアーティスト、ヨーロッパを中心にアジアからアメリカ、アフリカまで、世界各国をモザイクタイルを用いたインベーダーのグラフィックで侵略中。
それぞれの場所や、建物にちなんだモチーフを残すのも特徴で、日本でも渋谷や代官山、原宿を中心に、六本木や下北沢、最近ではお台場にもその作品を見ることができます。
Monsieur Andrè [ミスターアンドレ]
フランスのグラフィティアーティストで、1980年代中頃からパリを中心にグラフィティアートを開始。
90年代後半には、×と○で表された目と、長い手足が特徴的なキャラクター「ミスターA」を、パリの街中に描き有名になりました。
最近ではファションブランドBallyやMaison Kitsuneとのコラボレーションでも有名です。
ZEVS [ゼウス]
1990年代から様々な表現手段でストリートアート界で活躍している、フランス人のストリートアーティストです。
シャネルやヴィトンなど様々な企業ロゴにペンキと垂らした独特のビジュアルが有名です。広告看板のロゴやモデルの絵を切り取り、企業やブランドに身代金を要求する、ビジュアル・キッドナッピングというパフォーマンスなども、一時期行なっていました。
近年は世界各国のアートギャラリーでの展示も行っています。
Shepard Fairey [シェパード・フェアリー]
Seizer [シーザー]
Neckface [ネックフェイス]
Sweet Toof & Cyclops [スウィート・トゥーフ & サイクロプス]
Ron English’s [ロン・イングリッシュ]
Dotmasters [ドットマスターズ]
Swoon [スウーン]
Borf [ボーフ]
Buffm Monster [バフモンスター]
Mr.Brainwash [ミスター・ブレインウォッシュ]
そして、最後にこの方ミスター・ブレインウォッシュです。
作品の特徴は様々な肖像画にペンキを直接垂らしたり、ドロッピングしたりするなどして、カラフルでオリジナリティのある作風のペインティングを中心に展開しています。
2009年にはマドンナのベストアルバムのアートワークも手がけています。
アート業界に対する痛烈な皮肉
この映画の公開に先立ちバンクシーはこんな言葉を残しています。
「もの事の本質は隠されていることは多いがメディアは表面しか見ない」
この言葉が体現する通りアート界においても、メディアが報じるもの事は表面的なことが多く、その本質は表に出ることなく常に後ろ側に隠れています。
本来アートは作品自体の美しさや、その作品が人や社会に与える影響こそが本質で、その作品の金銭的価値やそれに群がる人々などはどうでも良いことです。
この映画からはバンクシーのグラフィティ作品にも通ずる、社会風刺的で皮肉めいていながらも、本質を貫いたメッセージが伝わってきます。
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出口の先にある大切な答え
いつの間にすり替わってしまったアートの価値や本質を、バンクシーはこの映画を通して見直そうと我々に訴えかけているのではないでしょうか。
それはグラフィティという、スプレー缶から生まれる路上のアートが教えてくれる、出口の先にある大切な答えなのかもしれません。
バンクシーの作品集
日本での知名度もかなり上がっているので、日本語版の作品集もたくさん出版されています。この映画を観てバンクシーに興味を持った方は、ぜひご覧になってみてください。
グラフィティやこの映画への理解がより深まるかもしれません。そして何よりもどの作品もかっこいいです。